RO膜って何?
RO膜とは、Reverse Osmosis Membraneのことで、日本語では「逆浸透膜」と呼ばれています。RO浄水器は、「逆浸透膜浄水器」の意。その名がしめす通り、液体における「浸透」という現象を利用した浄水システムです。
RO浄水器で使用しているメインのフィルターは「RO膜」。その膜には0.0001ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリメーター)の微細な孔が無数にあり、水溶液中に含まれる不純物を95~98%以上除去します。よりH2Oに近い、安全で美味しいお水を作るためのプロセスに、RO膜は欠かせない重要な役割を果たします。
RO膜の原理
動物や植物の細胞膜にはごく小さな孔が無数開いており、個々の細胞はこの孔を通して、外界と養分や水分のやり取りを行っています。この細胞膜のような形状をした膜を「半透膜」といいます。
この膜は、様々な物質が含まれている原水から水分子のみを通過させ、その他溶け込んでいる物質を通さないという透過機能を持っています。
この半透膜で塩分濃度の高い水と低い水を仕切ると、その浸透圧の差によって濃度の低い側から高い側へ水が自然に抜けてゆきます。これを浸透現象と言います。
また、逆に濃度の高い側に外から浸透圧の差を超える圧力をかければ、水分子だけが濃度の高い側から低い側に抜けます。この現象を逆浸透といい、「逆浸透膜」の名はここから来ています。
以下の実験を見てみましょう。
実験1
半透膜で仕切られた容器の中に、真水(純水)と不純物の入った水(不純水)を入れます。すると、両方の濃度を等しくしようとする液体の性質によって、純水は不純水側に移動していきます。これが「浸透作用」です。また、自然に生まれるこの圧力のことを「浸透圧」といいます。
実験2
この液体のもつ性質を利用し、逆に、不純水の方に人工的に圧力をかけると、不純水の中から、水の分子だけが半透膜を通り抜けて純水側へと移動していきます。これが「逆浸透」です。
半透膜は水の分子だけを通し、不純物は通しません。このようにして、不純水から純水を取り出すことができます。
実験3
半透膜の代わりに、一般的な浄水器の中で使われているフィルターで純水と不純水を仕切ってみましょう。フィルターは半透膜ではないため、浸透現象は起きず、フィルターの孔は大きいため、不純物が簡単にフィルターを通過してしまいます。その結果、純水と不純水は混じりあい、両方とも不純水になってしまいます。
RO膜の孔の大きさ
RO浄水器の中心となって稼動するのがRO膜です。RO膜には、水を限りなく純水にろ過する機能のほか、
浄水器が長期間使用できるようにRO膜を通過できない不純物を廃棄する排水機能も備えています。
RO膜は0.0001ミクロン(100万分の1ミリメーター)という極めて微細な孔を無数に持っています。
これより大きい物質は膜を通過できず、水の分子だけがこの膜を通ることができます。
このRO膜を使うことにより、水の味を損なう塩素や臭素、健康に悪影響があると言われている
重金属や化学物質をほぼ除去することができます。最近、話題になることが多い放射能のヨウ素やセシウムなども、
これらの大きさは0.0005ミクロンほどであり、RO膜の孔よりも大きいため、膜を通過することができません。
ROメンブレンの構造
RO浄水器に使用されるROメンブレンは、以下の図のように、何枚も重なった多層シートで構成されています。
水道水は、RO膜の表面に対し平行に流れていきます。膜を通った水分子の分だけが、浄水となり、浄水されなかった分の原水は不純物と一緒に水圧によって押し流され、濃縮廃棄水として外部に排出されます。
ちなみに、一般的に普及している浄水器のフィルターは、原水をすべてろ過して浄水にするという仕組みです。一般の浄水器の場合、水中の混入物はフィルターに捉えられて残ります。使用を続けるほど、フィルターには混入物が蓄積されていき、最終的には水も通過できなくなり、フィルターを交換することになります。そこで、フィルターがなるべく目詰りしないよう、フィルターの孔をある程度大きくする必要がありますが、そうすると、水に溶解しているほとんどのものが通過してしまうことになります。
RO浄水器の場合は、水全体の7割が排水として発生するため、生成される浄水の量は原水の量よりも少なくなりますが、排水は不純物を流してくれるので、膜の表面に蓄積される不純物が少なくなり、高いろ過性能がより長く維持できます。
活性炭フィルターも重要な役割
APテックのRO浄水器は、活性炭フィルターも搭載しています。塩素やカビ臭、クロラミン(塩素とアンモニアの化合物)などの有機化合物を吸着除去するためです。また、RO膜は塩素に弱いので、RO浄水器では、RO膜の前後に2つの活性炭フィルターを配置し、ダブルで塩素を除去します。
ちなみに、一般的に普及している浄水器は活性炭と中空糸膜と呼ばれるろ過膜を組み合わせたものが主流です。これらにより、残留塩素やカルキ臭、カビ臭の原因となる有機物、トリハロメタン、農薬などを吸着除去し、鉄サビ、カビ、濁り、一般細菌などは除去できますが、これだけでは、RO浄水器のように0.001ミクロン以下という分子レベルの不純物のろ過はできません。
目的別浄水器の成分除去率
RO膜との比較
その他、APテックの逆浸透膜浄水器ではRO膜の前後に活性炭フィルターを配置、RO膜による浄水の前処理・後処理を行うことにより、水中に溶解する有機化合物の98%以上を除去します。主なものはクロロフォルム(THM)、リンデン(殺虫剤、除草剤)、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンです。
RO膜浄水器の成分除去率
RO浄水器のフィルター構成
RO浄水器はRO膜のほか、基本的に、RO膜の性能を最大限に活かすために前処理・後処理フィルターを使用して構成されています。
APテックではアンダーシンク型の場合、下記の5本構成により、水道水の不純物を最大限除去し、さらに性能を維持させる構成となっています。
1- 5ミクロン セディメントフィルター
高度ろ過の前段階として泥・鉄・赤錆・水垢など、沈殿物を含む5ミクロン(1ミクロン=1000分の1mm)以上の微細な固形物を除去します
2- GAC 活性炭フィルター
3- 活性炭フィルター
粒状活性炭カーボンフィルターが塩素やカビ臭、クロラミン(塩素とアンモニアの化合物)などの有機物を吸着除去します。
RO膜は塩素に弱いので、2と3を配置し、ダブルで塩素を除去します。
4- RO膜
RO膜(逆浸透膜)
ウイルス、バクテリア、アスベストなど、分子レベルまでの不純物を高度ろ過。
トリハロメタンやダイオキシンといったハイテク汚染物質もほぼ完全にRO膜によって除去します。
この過程で流される廃棄水は、RO膜を清潔に保ち、性能と寿命を維持する大切な役割を果たしています。
5- ポストカーボンフィルター
活性炭の吸着作用によってRO膜を通過するごく少量の気化塩素や微小有機物を吸着、
さらに異臭の原因となる溶解ガスを取り除き、水を美味しくまろやかに仕上げます。
また、アンダーシンクの場合は、オプションとして以下のフィルターが追加できます。
1- アルカリフィルター(交換目安:6カ月)
PHバランスのとれたアルカリ水の生産と、体に良いミネラルのみが添加されます。
2- UV フィルター(交換目安:1年)
細菌のDNAを破壊します。塩素と反応して発生するトリハロメタン(発がん性物質)を99.9%以上除去。
UVによる細菌はクリーンで対象液にはほとんど影響を与えません。
フィルター交換、メンテナンス
RO浄水器は高性能であるだけに、その性能を維持するためにはメンテナンスが非常に重要です。
APテックは、万全なメンテナンスが大切な使命だと捉え、年2回のフィルター交換とメンテナンスを行っています。
水質維持のために行うフィルター交換も、トラブルを防止し、長期使用を目指すためのメンテナンスも、
共に専門的で複雑な作業になりますので、私たちプロにお任せください。日本語を話すスタッフが親切・丁寧に対応します。